県産材「北信濃の杉」の家 NPO-#015
Nakano/UEDA/2011
上田市郊外、別所線沿線の中野駅に程近い場所である。敷地周辺は近年、宅地分譲がなされ水田風景から大きく様変わりしてきている。今回の敷地は3区画ほどの分譲地。敷地面積100坪と比較的ゆったりとした面積ではあるが、異型という事もあり建物位置には工夫が必要とされた。
信州木造り工房」の第15作品目。お客様の要望は、将来的に介護される人とのライフスタイルがお互いに共存できるようなプランの提案を求められた。まず建物配置は、西側の道路に平行させ平屋部分をスクリーン(塀)に見立てるように計画し、ポーチを兼ねたガレージ門を潜り主庭へと繋がるプランとしている。そのことで南北東側には異型のゾーンが出来、画一的でないあいまいな空間が生まれている。共存できるライフスタイルプランとして、2間続きの和室をLDK横でかつ玄関に近い場所に配置し、プライバシーを守りつつ気配が感じられるよう工夫している。LDK中央に設けられた薪ストーブの暖気は、吹抜から2階へと上がり、シーリングファンにより階段から1階へと循環するように計画。「アサダ」という無垢材で製作されたシステムキッチンは、アイランドとなっており家事動線がスムーズになっている。
隣家との配置が違うことにより生まれた今回の庭は、何か包まれた中庭のような優しさを感じ、更に自然素材としての外壁「杉の板壁とそとん壁」は、これから植栽が少しずつ加わることでより一層深みを増していくことになるであろう。
DATE
所在地:上田市中野
主要用途:住宅
設計/施工:やま秀 田中建設 + 建築工房 アーキクラフト
構造/工法:木造在来軸組工法
延床面積:188.81m2(57.12坪)
竣工:2011.12